NHKで放送されている『フランケンシュタインの誘惑』をおすすめしたくて仕方ない気持ちを数年も抱えているので、記事にしたためます。
科学は、人間に夢を見せる一方で、ときに残酷な結果をつきつける。
理想の人間を作ろうとした青年フランケンシュタインが、怪物を生み出してしまったように―
輝かしい科学の歴史の陰には、残酷な実験や非人道的な研究、不正が数多くあった。
そんな闇に埋もれた事件に光を当て、「科学」「歴史」「倫理」に迫るシリーズ。
という趣旨の番組で、実在した多種多様なマッドサイエンティストが登場します。
#20「クローン人間の恐怖」
「病気になったときのために、臓器を移植できるようにクローン人間を作ろう。え、そういうのは倫理的に問題があるって? じゃあ脳のない人間を作ればいいじゃん☆」で終わるエグさ。#9「放射能 マリーが愛した光線」
放射能で体がボロボロになっても「俺たちはそれだけすごいことをやってるからネ☆」という思考の純粋さが恐ろしい回。#14「モンスター・スタディー史上最悪の心理学スキャンダル」
上記のマリー・キュリー夫人の回が「自身を犠牲にする(※犠牲になっているとは思っていない)」であることに対し、こちらは「他者(子供)を犠牲にする」回。胸くその悪さでぶっちぎりの一位を取れるであろう回。
好きだけどしんどすぎて二度と観られない。
「この回よりひどい回ってあるんですか?」と聞いたら「あるよ」と返ってくるのがフランケンシュタインの誘惑ですよろしくおねがいします。
「愛と絶望の心理学実験」
「自身ではなく他者を犠牲にする回」の動物版。「この番組は動物実験を扱います」の注意書きテロップはこの回のためにある。
配信なし。
#11「強制終了 人工知能を予言した男」
戦争で狂わされた人の代表格、チューリング。イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密という映画も観ましたが、個人的にはフランケンシュタインの誘惑のほうがよりおすすめです。
ナチス 人間焼却炉
宇宙に魂を売った男
「戦争で狂わされた人」に対して「戦争を利用した人」の回もあります。配信なし。
#1「人体蘇生」
どの回も大体、科学者による非人道的な行為を紹介しているのですが、この回は「でもあなたもそんな非人道的な行為の恩恵を受けているんですよ」と教えてくれます優しいですね。大英博物館 世界最大の“泥棒”コレクション
恐竜 化石戦争
胃もたれ必至な番組ですが、軽い気持ちでほっこり観られる回もまれにあります。ただし、この二回とも配信はありません。
まとめ
レギュラー番組になったり、不定期特番になったり、再編集版になったりと、とにかく不定期なのでその辺についてはWikipediaをご確認ください。E+版のときのものと、2024年版のものはNHKオンデマンドやU-NEXTで配信されています。
また、闇に魅入られた科学者たち 人体実験は何を生んだのかという書籍もあります。
みなさんもいっしょに精神を破壊されましょう。
かつてのシリーズで存在していた、ドクターフランケンE+というキャラクターが「あなたがた人間って本当に愚かですよね」と嘲笑してくる(してない)のが好きだったので、復活を待っています。